父が4コース目の抗がん剤治療を終え、CT検査を受けた。
結果はまあまあ順調。
「この薬でこの効き具合なら御の字でしょう」と主治医の先生も言ってくれた。
手術不能の胃がんと告知された父(本人は手術せずに済んだのでよかったと思っている)。抗がん剤がよく効いてくれているおかげで、食事も1人前しっかり食べられるようになり、さらにタバコをやめさせたら「タバコの代わり」とおやつまで食べるようになった。今までは家から一番近いスーパーにしか行かなかったのが、私が安いスーパーにあちこち連れて行くようになった影響で、毎日買い物に行く前にチラシをチェックしたりとある程度生活の変化を楽しんでくれているようだ。
副作用も他の人に比べると少ないようだ。でも本人にとっては辛いようで「手のしびれさえなければ・・・」「便秘が、足の痛みが」と、愚痴をこぼすことも多い。「いつまで点滴続けなあかんのやろ」「先生にもう点滴いらんて言おうかな」
お父さん、抗がん剤をやめたらあなたは死ぬんだよ。今やっている治療は治すための治療じゃない、延命治療なのだよ。
今はストレートに告知する時代だけれど、父はきっと耐えられないだろう。だから主治医に頼み込んで、余計なことは私も言わないで接するようにしている。
今くらい穏やかな生活が少しでも長く続いてくれたら。
今まで自由に暮らしてきたのに、突然嫁の父親との同居を余儀なくされた夫。
引越し前にシュミレーションしていたものの、かなり窮屈そうにしている。
言っていることも滅茶苦茶。
「お父さんは和室で食事を摂るけど、俺はテーブルに座って食事を摂りたいから、食べる時間をずらしてもいいし、和室とリビングで別々に過ごしたっていいよね。見たいテレビも違うし、ずっと一緒にいたらお互い疲れるだろうし」
最初はそう言っていたが、結局食事の時間を合わせて和室で摂り、同じテレビを見ている。こたつに長い時間座っていると腰が痛くなると言っている。気を遣わなくてもいいのに・・・。
何よりこたつに入ったままいびきをかいて寝られると、父や私の方が窮屈だ。でも「自分の部屋で寝てよ」と何度言っても聞かない。しまいにはむくれてしまう。
病院の付き添いを手伝ってくれるのはありがたいけれど、次の予約や病状の説明を、私を差し置いて父にするのはおかしいと思う。「お父さんの病気は治るわけじゃないからね」と、父に言ったこともあってたまげた。父は理解していないようだったけれど、さすがに怒った。
「お父さんの理解度を見て言っているから大丈夫」そういう問題じゃない。
お父さんの娘は私だ。どこまで言ってどこまで言わないかは私が決めるのだ。
父との人間関係を作りたいとは言っても、かかりつけの薬局を選ぶことや薬の飲み方や、治療方針にまで口出しするのは、ただの出しゃばりじゃないか。父と私の間に割って入ってまですることか?
そう言うと今度は「この家に俺の居場所はない。お父さんとの人間関係を作ることをお前に拒否された」と言い出した。
「お父さんとはもう直接しゃべらない。家事も言われない限り手伝わない」
「わかりました。もう何も言いません」
その次の日には普通にお父さんと2人だけでしゃべったり、自分から食事の準備や洗い物を手伝いに来る。
一体何がしたいの?
家計の計算をして「俺が毎月決まった額を渡すようにするから、無理に働かなくていいんじゃない?」と言っていたのに、新しいアルバイトの求人を見ていたら「ガッツリ働いてほしい」と言い始める。「前に話したやん」と言うと「それじゃ貯金が出来ない」と。
「何、俺にもっと働けって言うの?すごいプレッシャーやわ」
何がしたいの?ていうかこんな状況になっても仕事のスタンス変える気ゼロなの?
自分ががんばって家族を助けようという気はないわけ?
お父さんの面倒見て、家事もして、働きに出て、早く孫の顔見せてやらないと、って、それお父さんより先に私が死んでしまうわ。
何も考えずに思いつきで自分の言いたいことばかり言って。
結局ガッツリ働くアルバイトを見つけてきたら「大丈夫なん?時間の余裕なくなるやん」と。
は?お前が働けって言ったんやろ?
お父さんのことだけでも大変やのに、お前のわがまままで聞いてられるかよ。ふざけんなボケ。
・・・色々あります。
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